学習と里山保全

(※概要と冒頭の一部が重複します)

里山保全(設立の目的)

 活動の舞台となる新潟県長岡市三島地域は、面積の約6割が森林という緑豊かな地域で、ホタルが一種類生息するだけでも自然環境が良いと言われている中、ゲンジボタルとヘイケボタルが同一地域内で生息している数少ない地域となっていいます。

 三島地域は里山からの豊富な湧水に恵まれ、それを活かした醸造産業等も発達していますが、近年林内への竹の浸食による荒廃が進み、里山の保全と水源の涵養を行う必要が生じています。

 そのため地域の杉林を浸食した竹を伐採することで、里山の荒廃を防ぎ、植物相の健全化と水源の涵養を図るとともに、啓発活動として、伐採した竹を様々な竹灯籠に加工し、ライトアップイベントを実施することで、三島地域が抱えている問題点の解決策ともなっています。


初期の打ち合わせ風景

活動のきっかけと実績

 森林内の管理不足などから竹が繁茂し、荒廃しつつあった里山の光景を見かねた地元有志が、里山整備として竹の伐採を行い、その竹を活用して何かできないだろうかと考えた結果、伐採した竹を加工して灯籠を製作し、夏祭りの会場に灯したことが活動のきっかけです。

 その後、地以内を移動しながら竹の伐採を続けるとともに、竹灯籠の先進地である大分県の視察、国体PR看板の製作、中越大震災の復興イベントとしての地域内の神社のライトアップ、三島まつりでのライトアップ、ホタル啓
発イベントなど様々なイベントを企画し、年々活動の幅を広げてきています。
 こうした里山の保全と水源の涵養の活動に共感する仲間や協賛企業も増え、活動に賛同する地元の長岡造形大学の協力も得て、イベントの質を高めながら継続した取り組みへと発展してきています。

 また、平成22年11月には「越後みしま 竹あかり街道」と題し、江戸時代から続く地域の町並みライトアップを実施し、寒中の夜間イベントながら地域内外から3,500人もの来場者を迎え、地域の活性化にも貢献しています。
 今年も様々な方々のご協力の下「越後みしま 竹あかり街道」を開催に向け準備を進めています。


里山の竹林と竹あかり

地元三島の中学生や長岡市内の大学生、地元住民による学習の場

 地域の工務店や商店主、会社員などを中心に、地域づくりに参加したいと思っていた主婦なと中心メンバー20人に加え、イベントの際にし地元中学生や大学生、市民ボランティアなどのべ200人以上が参加して活動を行っていいます。
※活動が即里山保護の学習の場
中心メンバー 工務店・商店主・会社員・主婦など
里山保護やイベント時 中学生~大学生、市民ボランティア


ボランティアの方々との作業風景と記念撮影

今後の活動計画と展望


 地域内には、整備が必要な里山が多数存在するため、引き続き竹の伐採を続け、それを利用した啓発ライトアップイベントも継続していくとともに、特にホタル啓発イベントに関しては、地元町内会等を巻き込んでの川ざらい等の水質浄化に向けた取り組みを行い、貴重な生物資源の保護にも力を入れたいと思っています。

 それに加え、伐採作業で発生する竹の子枝や、イベント終了時の竹灯籠の後始末として、現在は粉砕処理を行い竹チップとして処分していますが、例えば粉砕せずそのまま焼いて竹炭にしたり、あるいはさらに細かく粉砕し粉末状にしたりすることで、水質浄化剤や肥料、土壌改良材などとして利用することも可能となります。これを販売までつなげることで、将来的にはソーシャルビジネスへの発展まで視野に入ることから、そうした竹の処理方法の研究を行っていきたいと思っています。

 また、平成22年の啓発イベントでは、東京都千代田区と三島地域の住民による草の根交流の成果が生かされ、千代田区観光協会LED投光器の貸与をうけるなど、地域の枠を超えた活動も広がっており、今後はこうした都市部との交流を通じた環境保全啓発にも取り組みたいと思っています。


粉砕処理による竹チップと千代田区観光協会より貸与いただいたLED投光器

竹林整備による里山健全化の流れ—学習と実行

 三島地域は、ゲンジボタルとヘイケボタルの両方の生息が確認できる、日本でも数少ない地域のひとつです。しかし近年、山林の管理が行き届かなくなって竹が杉林に侵入し徐々に荒廃してきて、里山や水源など環境の悪化が懸念されています。
 三島ライトアップ実行委員会ではこうした竹林を伐採し、粉砕機でチップ化して里山に散布し、自然に還す活動を行っています。こうした活動を進めることが、里山の健全化による水源の保全と、ホタルが住みやすい環境を守ることにつながります。また、伐採した竹の一部を竹とうろうとして活用し、里山保全のPRを行っています。


里山の健全化・環境保護を竹灯篭で広くPR

保全活動の流れ


 1.管理放置されている里山  
  ↓
 2.伐採作業
  ↓
  3.伐採により里山に光が入る   
  ↓
 4.伐採した竹を粉砕機でチップ化
  ↓
 5.里山に散布し自然還す
  ↓
 6.伐採した竹の一部を地域イベントで竹とうろうとして利用

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